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退職後の国民健康保険料はいくら?年収別シミュレーションと減免申請の全手順

退職後に加入する国民健康保険料は、前年の年収をもとに計算されるため、在職中の収入が高かった人ほど高額になります。目安としては、年収400万円の人で月額2〜3万円程度、年収600万円では月額3〜4万円を超えることもあります。ただし、離職理由や収入状況によっては大幅な減免を受けられる制度も存在します。この記事では年収別の保険料シミュレーション、減免申請の手順、任意継続との比較まで、退職後に必要な情報をすべて網羅して解説します。

目次

国民健康保険料の仕組みをまず理解しておく

退職後に会社の健康保険を抜けると、原則として国民健康保険(国保)への加入が必要になります。国保の保険料は自治体ごとに異なりますが、基本的な計算構造は共通しています。

国保の保険料は大きく次の3つの要素で構成されています。

区分内容
所得割前年の所得に応じた金額
均等割世帯の加入者一人ひとりにかかる定額
平等割世帯ごとにかかる定額(自治体によっては廃止)

このうち最も金額に影響するのが所得割です。前年(1月〜12月)の所得をもとに計算されるため、たとえば2024年3月に退職した場合、2024年度(2024年6月〜2025年3月)の保険料は2023年の収入を基準に算出されます。

保険料の上限額は年間で106万円(2024年度)と定められており、高所得者でもこれ以上は課されません。一方、低所得世帯には自動的に均等割・平等割が2割・5割・7割軽減される制度があります。

年収別シミュレーション(東京都23区の場合)

以下は東京都23区在住・単身世帯・40歳未満(介護保険料なし)の場合のおおよその試算です。自治体によって金額は異なりますが、目安として参考にしてください。

年収200万円(退職前)の場合

  • 前年所得:約125万円(給与所得控除後)
  • 年間保険料:約14〜16万円
  • 月額換算:約1万2,000〜1万3,000円

年収300万円(退職前)の場合

  • 前年所得:約202万円
  • 年間保険料:約22〜25万円
  • 月額換算:約1万8,000〜2万円

年収400万円(退職前)の場合

  • 前年所得:約276万円
  • 年間保険料:約30〜34万円
  • 月額換算:約2万5,000〜2万8,000円

年収600万円(退職前)の場合

  • 前年所得:約436万円
  • 年間保険料:約45〜50万円
  • 月額換算:約3万7,000〜4万2,000円

年収800万円以上(退職前)の場合

  • 上限額に達するケースが多く、年間約84〜106万円(自治体による)
  • 月額換算:約7万〜8万円台

退職後は収入がゼロになるにもかかわらず、前年の収入に基づいた高額保険料を支払う必要があるため、資金計画を事前に立てることが非常に重要です。

任意継続保険との比較:どちらが得か

退職後の健康保険の選択肢は国保だけではありません。会社員が加入していた健康保険組合の任意継続制度を利用するという選択肢もあります。

任意継続とは、退職後も最長2年間、在職中の健康保険に加入し続けられる制度です。ただし、これまで会社が半額負担していた保険料を全額自己負担することになります。

任意継続が有利なケース

  • 前年の年収が高く、国保保険料が上限に近い場合
  • 健康保険組合の付加給付(高額療養費の上乗せなど)を使いたい場合
  • 扶養家族がいて、国保に全員加入するより安くなる場合

国保が有利なケース

  • 退職後の収入が大幅に減る見込みがあり、翌年以降の国保料が下がる場合
  • 失業による軽減制度(後述)を活用できる場合
  • 任意継続の保険料より国保の保険料が安い場合

どちらが得かは個人の状況によって異なります。退職前に両方の保険料を試算し、比較することをおすすめします。なお、任意継続の申請期限は退職日から20日以内と非常に短いため、早めの確認が必要です。

失業・非自発的退職による保険料の軽減制度

会社都合退職や特定の事情による退職(いわゆる非自発的離職)の場合、国保の保険料が大幅に軽減される制度があります。これは2009年に導入された制度で、多くの自治体で利用できます。

軽減の対象者

以下のいずれかに該当する方が対象です。

  • 雇用保険の特定受給資格者:会社都合解雇、倒産などによる離職者が該当します。雇用保険の受給資格決定通知に「特定受給資格者」と記載されているかどうかで確認できます。
  • 特定理由離職者:有期雇用の雇い止め、育児・介護による離職などが該当します。

自己都合退職の場合は原則として対象外となりますので注意が必要です。

軽減の内容

軽減制度が適用されると、前年の給与所得を100分の30(30%)とみなして保険料を計算します。つまり、実質的に所得割が大幅に引き下げられます。

たとえば年収400万円(前年所得276万円)の場合、この制度を使うと所得が約83万円とみなされて計算されるため、保険料が大幅に下がります。軽減期間は離職日の翌日から翌年度末までです。

申請に必要な書類

  1. 雇用保険受給資格者証(ハローワークで発行)
  2. 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
  3. 国民健康保険加入申請書(市区町村窓口で入手)

国保加入・減免申請の全手順

実際の手続きの流れを順番に説明します。スムーズに進めるために、退職後できるだけ早く対応することをおすすめします。

ステップ1:会社の健康保険を脱退する

退職すると自動的に会社の健康保険の被保険者資格を喪失します。会社から健康保険資格喪失証明書が発行されますので、受け取っておいてください。

ステップ2:国民健康保険に加入する

手続き期限:資格喪失日から14日以内

市区町村の窓口(または一部自治体ではオンライン)で手続きを行います。

必要書類

  • 健康保険資格喪失証明書
  • マイナンバーカードまたは個人番号通知カード+本人確認書類
  • 印鑑(自治体によって不要な場合もあり)

14日を過ぎても加入手続き自体は可能ですが、資格喪失日(退職翌日)まで遡って保険料が発生します。

ステップ3:ハローワークで離職票の手続きをする

失業給付の受給申請とあわせて、雇用保険受給資格者証を取得します。この書類が軽減申請に必要になります。

ステップ4:軽減申請を行う

市区町村の国保窓口に雇用保険受給資格者証を持参し、非自発的離職者に対する保険料軽減の申請を行います。国保加入の手続きと同時に申請することも可能です。

ステップ5:保険料の納付書を受け取る

申請後、自治体から納付書が送付されます。口座振替の設定もこのタイミングで行うとスムーズです。

保険料を抑えるためのその他の対策

軽減制度の活用以外にも、国保の保険料負担を軽減するためのポイントがいくつかあります。

所得が低い場合の均等割軽減を確認する

世帯の合計所得が一定以下の場合、均等割・平等割が2割・5割・7割軽減されます。退職後に収入がない状態であれば、翌年度(2025年度分)からこの軽減が自動的に適用されることがあります。ただし、前年所得が基準となるため、退職した年度は効果が出にくい点に注意してください。

家族の扶養に入ることを検討する

配偶者や親族が会社の健康保険に加入している場合、その被扶養者になれる可能性があります。被扶養者になれば保険料の負担はゼロになります。加入できる条件は年収130万円未満(60歳以上または障がい者は180万円未満)であることが基本です。

国保料の分割納付・猶予制度を活用する

一時的に保険料の支払いが困難な場合、市区町村に相談することで分割納付や猶予が認められることがあります。滞納すると延滞金が発生したり、最終的には財産差し押さえになるリスクもあるため、支払いが難しい場合は必ず早めに窓口へ相談してください。

まとめ:退職前に準備することが最大の節約になる

退職後の国民健康保険料は、前年の収入に基づいて計算されるため、現役時代の年収が高い人ほど初年度の負担が重くなります。しかし、非自発的離職による軽減制度や、低所得軽減制度を活用することで、大幅に保険料を抑えることが可能です。

重要なポイントをまとめると以下のとおりです。

  • 国保加入は退職翌日から14日以内に手続きをする
  • 会社都合・雇い止めなどの場合は必ず軽減申請をする
  • 任意継続との比較を必ず行い、有利な方を選ぶ
  • 翌年度からは前年所得が下がるため保険料も下がる(退職初年度が最も高い)
  • 支払いが困難な場合は放置せず窓口に相談する

退職はただでさえ手続きが多く、精神的にも慌ただしい時期です。しかし国保の手続きや軽減申請は、知っているかどうかで数十万円単位の差が生まれることもあります。この記事を参考に、退職前から準備を進めておくことを強くおすすめします。

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