会社を辞めた瞬間、安堵と同時に「何から手をつければいいのか分からない」という不安に襲われる方は少なくありません。健康保険はどうする、年金は、失業保険は、そもそも市役所とハローワークどちらが先か——手続きは想像以上に多く、期限も個別に設定されています。本記事では退職日を起点に手続きの順番を日数で逆算し、市役所→ハローワーク→職業訓練申込みまでの流れと、失業給付・教育訓練給付の併給条件を分岐形式で整理します。読み終える頃には、退職後にやるべきことの全体像と期限が一目で把握できます。
退職したらまずやる事|優先順位はこれだ
退職直後にまずやるべきことは、会社から必要書類を受け取ることです。離職票・雇用保険被保険者証・源泉徴収票は、健康保険や失業給付の手続きに必須のため、退職前後に受け取り時期を確認しておく必要があります。
次に確認すべきは健康保険の選択肢です。任意継続・国民健康保険・家族の扶養、いずれを選ぶかで保険料や手続き先が変わります。あわせて年金についても、厚生年金から国民年金への切替が必要かどうかを確認しましょう。退職後は無保険・未加入期間が生じやすいため、できるだけ早く動くことが重要です。
📌 POINT
退職後にやることの優先順位は「書類受け取り→保険選択→年金確認→役所手続き」の順です。厚労省 雇用動向調査によると離職率は全体で15.4%(2023年)で、誰にでも起こり得る手続きだからこそ、早めの準備が安心につながります。
手続き全体のチェックリストは退職後手続きの完全チェックリストでも詳しく解説しています。
市役所とハローワーク、どちらを先に行くべきか
結論として、先に市役所で保険・税の手続きを済ませ、その後ハローワークで求職・給付申請を行うのが基本です。市役所は国民健康保険・国民年金・住民税といった「お金と保険」の窓口であり、ハローワークは「仕事探しと失業給付」の窓口という役割分担があります。
順序を誤ると、たとえば国民健康保険の切替が遅れて医療費が一時的に全額負担になったり、失業給付の求職申込みが後回しになり受給開始が遅れたりする影響が出ます。
同日にまとめて回る場合は、離職票・雇用保険被保険者証・マイナンバーカード・本人確認書類・印鑑・通帳を持参すると二度手間を防げます。
📌 POINT
市役所→ハローワークの順で回るのが効率的です。同日訪問なら書類一式を事前にそろえておきましょう。
退職後の手続き一覧|期限つきチェックリスト
退職後の手続きは、それぞれ期限が異なります。まずは全体像を一覧表で確認しましょう。
| 手続き | 期限 | 窓口 | 必要書類 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険加入 | 退職翌日から14日以内 | 市区町村役場 | 離職票または退職証明書、本人確認書類 |
| 国民年金切替 | 退職翌日から14日以内 | 市区町村役場 | 年金手帳、離職票 |
| 任意継続保険 | 退職翌日から20日以内 | 協会けんぽ等 | 資格喪失証明書 |
| 住民税の手続き | 退職時〜翌年度課税時 | 市区町村役場 | 特になし(会社経由の場合あり) |
| 失業給付の求職申込み | 離職票受領後速やかに | ハローワーク | 離職票、雇用保険被保険者証、本人確認書類 |
定年退職の場合は、上記に加えて年金受給の請求手続きや、健康保険の高齢受給者証の切替なども発生します。定年退職後やることは現役退職より項目が多くなるため、早めのスケジュール確認が欠かせません。
14日以内の切替については国民健康保険・年金14日ルールの完全カレンダーで日数逆算の具体例を紹介しています。
ハローワークで失業給付を受けるまでの流れ
失業給付を受けるには、ハローワークでの求職申込みから受給までいくつかのステップを踏みます。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ①求職申込み | 離職票提出・求職登録 | 離職票受領後すぐ |
| ②雇用保険説明会 | 受給資格者証の交付 | 申込み後1〜2週間 |
| ③待期期間 | 7日間は給付なし | 申込み日から7日間 |
| ④給付制限(自己都合の場合) | 給付なし期間 | 原則2ヶ月前後 |
| ⑤受給開始 | 失業認定日ごとに給付 | 制限期間終了後 |
自己都合退職は給付制限が設けられる一方、会社都合退職は給付制限なしで比較的早く受給が始まります。
教育訓練給付や公共職業訓練を受講する場合、訓練期間中は給付制限が解除され、失業給付を訓練修了まで延長して受けられるケースがあります。ただし訓練の申込み時期と求職申込みのタイミングによって適用可否が変わるため、事前にハローワークで確認することが不可欠です。教育訓練給付と失業給付は制度上併給できるケースがありますが、条件や申込み時期の確認が欠かせません。
受給開始を少しでも早めたい方は失業給付の受給開始を早める方法、再就職手当との比較は失業給付と再就職手当の選び方シミュレーションも参考にしてください。
離職票が届かない場合の対処法
離職票は退職後10日前後で会社から届くのが一般的ですが、2週間以上届かない場合は放置せず会社へ催促する必要があります。連絡先が分からない、退職代行を使って直接連絡しにくい場合でも、書面やメールで催促記録を残しておくと後の相談がスムーズです。
⚠️ 注意
会社に催促しても離職票が発行されない場合は、ハローワークに相談することで会社への指導や、離職票がなくても求職申込みを進める仮手続きの案内を受けられる場合があります。
具体的な催促文例や仮手続きの詳細は離職票が届かないときの5つの対処法で確認できます。
退職の14日ルールとは何か
「退職の14日ルール」とは、国民健康保険・国民年金への切替を退職翌日から14日以内に行う必要がある、という期限のことです。会社の健康保険や厚生年金は退職と同時に資格を失うため、放置すると無保険・未納期間が発生します。
14日を過ぎても手続き自体はできますが、保険証が使えない期間の医療費が一時的に全額自己負担になるなどのリスクがあります。また住民税や失業給付の手続きとも時期が重なりやすいため、14日ルールを軸に他の手続きスケジュールを組み立てるのが効率的です。
退職するなら何月が有利か
退職・転職を考えるタイミングとして、求人が増えやすい1〜3月・9〜10月は動きやすい時期とされています。総務省 労働力調査によると、転職者数は328万人(2024年平均)にのぼり、年間を通じて転職市場自体は活発です。
職業訓練の開講スケジュールも考慮すると、訓練開始月の前月までに求職申込みを終えておく必要があるため、退職月から逆算した準備が求められます。また自己都合退職の場合は給付制限期間があるため、「いつ辞めるか」よりも「いつ求職申込みをするか」から逆算して退職月を決めることが重要です。
まとめ
退職後やることは、市役所での保険・年金・税手続きと、ハローワークでの求職・給付申請の両方に分かれます。14日ルールを軸に期限を逆算し、離職票の受け取り状況や教育訓練給付との併給条件を早めに確認することで、手続き漏れと給付の遅れを防げます。
よくある質問
Q. 退職したらまずやる事って?
A. 健康保険・年金の手続き確認と離職票の受け取りが最優先です。
Q. 退職の14日ルールとは?
A. 国民健康保険・国民年金の切替は退職翌日から14日以内が期限です。
Q. 退職後、市役所とハローワークのどちらに行くべきですか?
A. 先に市役所で保険・税手続き、その後ハローワークで求職・給付申請が基本です。
Q. 退職するなら何月が一番いい?
A. 求人が増える1〜3月・9〜10月は転職や訓練開講に有利とされます。
Q. 離職票が届かない場合はどうすればいいですか?
A. 会社に催促し、それでも届かない場合はハローワークに相談できます。
Q. 失業保険と職業訓練は併給できますか?
A. 訓練期間中は給付制限が解除され、給付を延長して受けられる場合があります。ただし条件や申込み時期の確認が不可欠です。

