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失業給付 vs 再就職手当どっちが得?|退職後の受給パターン別シミュレーション

目次

結論:早期に再就職するなら「再就職手当」が圧倒的にお得なケースが多い

退職後のお金の不安を解消するために「失業給付をできるだけ長く受けたい」と考える方は少なくありません。しかし実際に数字で比較すると、一定の条件を満たした早期再就職では、再就職手当のほうが受け取れる総額が大きくなるケースがほとんどです。

📌 得する額

早期再就職なら、失業給付を満期まで受けるより数十万円多く受け取れることも

この記事では、失業給付(基本手当)と再就職手当のしくみをわかりやすく整理したうえで、退職後のパターン別にシミュレーションを行います。どちらが自分に合っているかを判断するための具体的な目安をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

失業給付(基本手当)のしくみをおさらい

失業給付とは、雇用保険の「基本手当」のことです。会社を辞めた後、次の仕事が決まるまでの生活を支える給付金として、ハローワーク経由で受け取れます。

📌 計算の鍵

給付率は賃金が低いほど高くなる仕組み。同じ基本手当でも個人差が大きい

主な計算要素

  • 賃金日額:離職前6か月間の給与合計を180で割った金額
  • 給付率:賃金日額に応じて50〜80%の幅がある(低賃金ほど高率)
  • 基本手当日額:賃金日額 × 給付率
  • 所定給付日数:年齢・雇用保険の加入期間・離職理由によって異なる

所定給付日数の目安

離職理由加入期間1年未満1〜5年5〜10年10〜20年20年以上
自己都合給付なし90日120日150日150日
会社都合・特定理由90日90〜120日150日180日240日

自己都合退職の場合は、7日間の待機期間に加えて給付制限期間があるため、実際に受給できるのは申請からしばらく後になります。給付制限期間については、2023年8月の制度改正により、従来の原則3か月から原則2か月へと短縮されました。ただし、5年間で3回以上の自己都合退職がある場合は引き続き3か月となります。また、同改正では、自己都合退職であっても、正当な理由(配偶者の転勤への帯同、育児・介護との両立困難など)に該当する場合は、給付制限なしで受給できる「特定理由離職者」と認定される範囲が明確化されています。

再就職手当のしくみをおさらい

再就職手当は、失業給付の受給資格がある方が所定給付日数の一定日数を残した状態で再就職した場合に支給される「お祝い金」のような給付です。

⚠️ 要注意

再就職手当は残日数が少ないと受給額が激減。早期の再就職ほど効果的

計算式

再就職手当 = 基本手当日額 × 残日数 × 給付率(60%または70%)

給付率のポイント

  • 残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている場合 → 70%
  • 残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている場合 → 60%

つまり、早く再就職するほど給付率が高く、残日数も多いため、受け取れる金額が大きくなります

受給の主な要件

  1. 失業給付の受給資格があること
  2. 就職日の前日時点で、所定給付日数の3分の1以上が残っていること
  3. 再就職先に1年以上継続雇用される見込みがあること
  4. 離職前の事業主に再び雇われたものでないこと
  5. ハローワークまたは職業紹介事業者を通じた就職、または自己開拓による就職で一定条件を満たすこと

パターン別シミュレーション:どちらが得か数字で比較

ここからは具体的な数字を使って比較します。以下の前提条件を共通設定とします。

詳細計算
給付日数や再就職時期による受取総額の差を複数パターンで試算

前提条件

  • 離職前の月給:30万円(賞与なし)
  • 基本手当日額:約6,000円(給付率約60%で計算)
  • 所定給付日数:150日(自己都合・加入10〜20年・30代)
  • 給付制限:2か月

パターン①「最後まで受給してから就職」

給付制限明けから受給を開始し、残日数ゼロになるまで受け取るケースです。

項目金額
基本手当日額6,000円
受給日数150日
失業給付合計90万円
再就職手当0円(残日数なし)
総受取額90万円

ただし、この場合は給付制限2か月+受給期間150日=最長約7か月の無収入期間が発生します。社会保険料や生活費を差し引くと、実質的な手取りはさらに少なくなります。

パターン②「給付制限明け直後に再就職(残日数150日)」

給付制限が明けた直後に再就職し、所定給付日数の3分の2以上(150日÷3×2=100日以上)残っているため給付率70%が適用されるケースです。

項目金額
受給済み基本手当0円
再就職手当(6,000円×150日×70%)63万円
総受取額63万円

金額だけ見るとパターン①より少ないですが、再就職後は給与収入が加わります。月給30万円の新職場で2か月働くだけで60万円の収入が生まれるため、トータルの生活収支はパターン①を大きく上回ります。

パターン③「50日受給後に再就職(残日数100日)」

給付を50日受けた後に再就職するケースです。残日数100日は所定給付日数の3分の2(100日)ちょうどなので、70%の給付率が適用されます。

項目金額
受給済み基本手当(6,000円×50日)30万円
再就職手当(6,000円×100日×70%)42万円
総受取額72万円

失業給付と再就職手当を組み合わせることで、パターン①の90万円には届かないものの、無収入期間を大幅に短縮しながら72万円を受け取れます。

パターン④「100日受給後に再就職(残日数50日)」

残日数50日は所定給付日数の3分の1(50日)ちょうどであるため、60%の給付率が適用されます。

項目金額
受給済み基本手当(6,000円×100日)60万円
再就職手当(6,000円×50日×60%)18万円
総受取額78万円

こちらもパターン①には届きませんが、再就職後の給与収入を考慮すると総合的には有利になります。

まとめ比較表

パターン失業給付再就職手当合計無収入期間目安
①全額受給90万円0円90万円約7か月
②制限明け即就職0円63万円63万円約2か月
③50日後就職30万円42万円72万円約3.7か月
④100日後就職60万円18万円78万円約5.3か月

給付金合計だけを見ると全額受給がもっとも多いですが、無収入期間の長さと再就職後の給与収入を合わせると、早期再就職のほうが家計全体では有利になることがわかります。

再就職手当を申請する際の注意点と手続き

再就職手当は条件を満たしていても、申請しなければ受け取れません。手続きの流れを確認しておきましょう。

⚠️ 申請忘れ

条件を満たしていても申請しないと1円ももらえません。期限に注意

申請の流れ

  1. ハローワークで求職申込み・受給資格の決定を受ける
  2. 雇用保険受給者初回説明会に出席する
  3. 求職活動を行いながら失業認定日に出頭する
  4. 再就職先が決まったら、採用証明書を就職先に作成してもらう
  5. 就職日の翌日から1か月以内にハローワークへ申請する

よくある注意点

  • ハローワークへの届出前に就職してしまうと不支給になる場合があります。内定が出たら必ずハローワークに連絡してください
  • 再就職先での継続雇用見込みが1年以上であることが条件のため、短期アルバイトや契約期間が1年未満の契約社員は対象外になるケースがあります
  • 前職の事業主への再雇用は対象外です。関連会社や子会社への転籍も審査対象になることがあります
  • 自己開拓(ハローワーク経由でない就職)の場合も対象になりますが、ハローワークへの届出を怠ると受給できないため注意が必要です

自分に合った選択をするためのチェックリスト

最終的にどちらを選ぶべきかは、個人の状況によって異なります。以下のチェックリストを参考にしてください。

判断基準
体調・スキル・転職活動のペースで選択肢が大きく変わります

失業給付を最後まで受けたほうが向いている人

  • [ ] 体調不良や家族の介護などで、すぐに働ける状態にない
  • [ ] スキルアップや資格取得のために一定期間が必要
  • [ ] 慎重に転職先を選びたいため、時間をかけて活動したい
  • [ ] 会社都合退職で所定給付日数が240日以上あり、給付総額が大きい

早期再就職+再就職手当が向いている人

  • [ ] すでに転職先の候補がある、または転職活動が順調に進んでいる
  • [ ] 収入を早く安定させたい
  • [ ] 離職前の給与水準を早期に回復したい
  • [ ] 自己都合退職で所定給付日数が90〜150日程度と短い

所定給付日数が90日と短い場合、全額受給してもわずか54万円(6,000円×90日)です。一方で制限明け直後に再就職すれば63万円の再就職手当を受け取れるため、早期就職のほうが明確に有利になります。

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