残業代も有給も取り戻したいのに、どの退職代行サービスに頼めばいいか分からない。そんな悩みを抱えていませんか?「退職代行」と一口に言っても、会社と交渉できるのは労働組合型のみです。民間型では残業代請求も有給交渉も法律上できません。
本記事では、2026年6月時点の公式サイト公表情報をもとに、主要労働組合型退職代行15社を「残業代請求力」「有給交渉力」「団体交渉実績」の三軸で採点・比較します。さらに、2025年末にサービスを廃止したポジウィルキャリアからの代替先についても、ユーザータイプ別に具体的な推奨先を提示します。
この記事を読み終えると、自分の状況(残業代回収メイン・有給消化メイン・即日退職メイン)に合った労働組合型退職代行を迷わず選べるようになります。無料相談前に確認すべきチェックリストも用意しているので、ぜひ最後までご覧ください。
📌 POINT
この記事のポイントを3点に絞ります。①交渉できるのは労働組合型と弁護士型のみ。②15社の比較で上位と下位には交渉対応範囲に明確な差がある。③ポジウィル廃止後の代替はニーズ別に使い分けが必要です。
労働組合型だけが「交渉」できる理由──団体交渉権と非弁行為の境界線
退職代行サービスは大きく3種類に分類されます。民間型・労働組合型・弁護士型です。この分類を理解しないまま業者を選ぶと、残業代も有給も取り戻せずに退職だけが成立する、という結果になりかねません。
📌 POINT
退職代行の3分類と法的根拠を押さえることが、正しいサービス選びの出発点です。民間型は「退職の意思を伝える」ことしかできず、交渉は一切できません。労働組合型と弁護士型だけが交渉権限を持ちます。
民間型(民間企業運営)は、本人の代わりに退職の意思を会社へ伝えることしかできません。有給消化の要求や残業代の請求を会社と協議する行為は、弁護士法第72条が定める非弁行為にあたります。たとえ依頼者から「交渉してほしい」と言われても、民間型が対応すると違法となります。
労働組合型は、労働組合法第6条に基づく団体交渉権を持ちます。団体交渉権とは、労働者が団体として使用者(会社)に対し、賃金・労働時間・退職条件などを協議・要求できる権利です。労働組合型退職代行のみが持つ団体交渉権により、有給消化・残業代請求・退職条件の交渉を会社に対して法的根拠をもって要求できます。会社が正当な理由なく団体交渉を拒否すると、不当労働行為(労働組合法第7条)となり、法的制裁を受けるリスクがあります。
弁護士型は弁護士法に基づき交渉・訴訟・強制執行まで対応できます。残業代を裁判で取り戻す、仮差押えで会社口座を押さえるといった強制回収は弁護士型しかできません。
重要な注意点が1つあります。「交渉できる=必ず回収できる」ではありません。労働組合型は会社と協議する権限はありますが、会社が支払いを拒否した場合に強制的に回収する手段を持ちません。高額の残業代回収が目的なら、弁護士型への切り替えも視野に入れる必要があります。詳しくは団体交渉で未払い賃金が取れた事例まとめも参考にしてください。
| 種類 | 退職意思伝達 | 有給交渉 | 残業代請求 | 訴訟・強制回収 |
|---|---|---|---|---|
| 民間型 | ○ | ✕(非弁) | ✕(非弁) | ✕ |
| 労働組合型 | ○ | ○ | ○ | ✕ |
| 弁護士型 | ○ | ○ | ○ | ○ |
15社を6指標で採点|残業代請求力・有給交渉力・団体交渉実績の三軸マトリクス
2026年6月時点の各社公式サイト公表情報をもとに、主要15社を6指標でスコア化しました。指標の定義は以下のとおりです。
- 残業代請求対応:公式サイトで残業代請求を明示しているか(○/△/✕)
- 有給交渉実績:有給消化交渉への対応を明示しているか(○/△/✕)
- 団体交渉件数公表:実績件数または事例を公表しているか(○/✕)
- 対応速度:即日対応・24時間受付の有無(○/△)
- 料金:税込み料金(円)
- 返金保証:全額または一部返金保証の有無(○/✕)
📌 POINT
残業代請求に対応していると明示しているサービスは、2026年時点で確認できる主要15社のうち概ね半数程度にとどまります。残業代回収を目的とする場合は、申込み前に必ず対応範囲を直接確認してください。
15社比較表(2026年6月時点・公式サイト公表値)
| サービス名 | 残業代請求 | 有給交渉 | 団体交渉実績公表 | 対応速度 | 料金(税込) | 返金保証 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SARABA | ○ | ○ | ○ | ○(24時間) | 27,000円 | ○ |
| 退職代行ガーディアン | ○ | ○ | ○ | ○(即日) | 29,800円 | ✕ |
| 退職代行モームリ | ○ | ○ | △ | ○(即日) | 22,000円 | ○ |
| 退職代行Jobs | ○ | ○ | △ | ○(即日) | 29,000円 | ○ |
| ニコイチ | △ | ○ | ✕ | ○ | 27,000円 | ○ |
| 辞めるんです | △ | ○ | ✕ | ○ | 27,000円 | ○ |
| 退職代行ネルサポ | ○ | ○ | △ | ○ | 22,000円 | ○ |
| 退職代行TORIKESHI | △ | ○ | ✕ | ○ | 25,000円 | ○ |
| 退職代行オトワ法律 | ○(弁護士監修) | ○ | ✕ | △ | 55,000円〜 | ✕ |
| 退職代行EXIT | ✕(民間) | ✕(民間) | ✕ | ○ | 20,000円 | ✕ |
| 退職代行リーガルジャパン | ○ | ○ | △ | ○ | 25,000円 | ○ |
| 退職110番 | ○(弁護士) | ○ | △ | △ | 43,800円〜 | ✕ |
| 退職代行ヤメルサポ | △ | ○ | ✕ | ○ | 20,000円 | ○ |
| 退職代行アローン | △ | ○ | ✕ | ○ | 24,000円 | △ |
| 退職代行フォーゲル綜合法律 | ○(弁護士) | ○ | △ | △ | 33,000円〜 | ✕ |
※数値・実績は各社公式サイト・2026年6月時点の公表値。最新は必ず公式サイトでご確認ください。EXITは民間型のため参考掲載。
三軸マトリクスで見た各社ポジション
- 上位グループ(SARABA・ガーディアン・モームリ・Jobs):残業代請求・有給交渉ともに明示対応、かつ返金保証あり。団体交渉件数の公表または事例提示もある。残業代回収を求めるユーザーにはこのグループから選ぶのが基本です。
- 中位グループ(ニコイチ・ネルサポ・リーガルジャパン):有給交渉は対応しているが、残業代請求の対応範囲が△表記にとどまるケースあり。申込み前の確認が必須。
- 下位グループ(ヤメルサポ・アローン・TORIKESHI):残業代対応が△または公表なし。有給交渉のみ対応と見るのが実態に近い。
詳しい14社の比較はこちら→労働組合型退職代行14社の比較:メリット・デメリット全解説もご覧ください。
ポジウィル廃止後の代替先を独自データで選ぶ──ユーザータイプ別レコメンド
ポジウィルキャリアは、2025年末をもって退職代行サービスの提供を終了しました。主力であるキャリアコーチングサービスに事業を集中させるための判断とされています。ポジウィルの退職代行は、「キャリア相談をしながら退職交渉も任せられる」という複合型サービスとして一定の支持を集めていました。
ポジウィル廃止の詳細と代替先の選び方
代替先を選ぶ際は、ポジウィルを選んだ理由を分解することが重要です。「退職の意思を伝えてほしかっただけ」なら多くの労働組合型で対応できます。「有給・残業代まで取り戻したかった」なら交渉機能が充実したサービスを選ぶ必要があります。
詳しくはこちら→ポジウィル廃止後の代替サービス比較2026
ユーザータイプ別 代替先レコメンド
| ニーズ | 推奨サービス | 理由 |
|---|---|---|
| 交渉機能重視(残業代・有給) | SARABA・退職代行ガーディアン | 団体交渉実績公表あり、対応範囲が明示されている |
| 有給・残業代回収重視 | モームリ・退職代行Jobs | 料金が比較的安く返金保証あり、交渉対応を明示 |
| キャリア相談も継続したい | 労働組合型退職代行+転職エージェント併用 | 退職代行はSARABAなどで完結、キャリア相談はdoda・リクルートエージェントと並行 |
| 即日退職が最優先 | モームリ・SARABA | 24時間受付・即日対応を公式に明示 |
代替先選び方フローチャート(簡略版)
- 残業代を取り戻したい → 上位グループ(SARABA・ガーディアン)へ
- 有給消化だけできればいい → 中位グループ含め広く選択可
- キャリア相談も必要 → 転職エージェントを並行活用
- 費用を抑えたい → モームリ(22,000円)・ネルサポ(22,000円)
- 確実性を最大化したい(高額残業代) → 弁護士型へ切り替え
ポジウィルの代替選びは「退職の意思伝達だけでよいか」「交渉が必要か」で最初に分岐させることが鉄則です。
未払い残業代を退職代行と同時に回収するための正しい手順と注意点
⚠️ 注意
残業代請求には時効があります。2020年の労働基準法改正により時効は3年に延長されましたが、退職後も時計は進み続けます。退職代行を依頼するタイミングで同時申請しないと、機会を逃す可能性があります。また「回収保証」を謳う退職代行業者には慎重に対応してください。労働組合型に強制回収の法的権限はなく、会社が支払いを拒否した場合の保証はできません。
未払い残業代の時効は、労働基準法第115条の改正(2020年4月施行)により3年となっています。退職日から3年以内であれば請求できますが、退職代行利用時に同時申請することで証拠収集の機会を最大化できます。残業代の平均未払い額については、残業時間の統計と実態:月101時間の現実も参考になります。
退職代行と残業代請求を同時に進める5ステップ
ステップ1:証拠を退職前に収集する
タイムカードのコピー・打刻記録のスクリーンショット、給与明細3年分、業務指示のメール・チャット履歴を手元に確保します。退職後はシステムアクセスが切られ、証拠が取得できなくなります。
ステップ2:退職代行業者に残業代請求を同時依頼することを明示する
申込み時の問い合わせで「残業代請求も依頼したい」と明確に伝えてください。対応可否を事前に確認することが必須です。
ステップ3:労働組合が会社に団体交渉を申し入れる
退職の意思伝達と同時または直後に、残業代支払いを求める団体交渉通知が会社へ送付されます。
ステップ4:会社の回答を待つ(通常1〜2週間)
会社が支払いに応じる場合はここで解決します。拒否・無視の場合はステップ5へ。
ステップ5:弁護士型へエスカレーション
会社が支払いを拒否した場合、労働組合型では強制回収できません。未払い残業代が50万円を超える高額案件は、成功報酬型弁護士への切り替えが費用対効果で有利です。成功報酬型なら初期費用ゼロで回収額の一定割合(20〜30%程度が目安)のみが報酬となります。
| 状況 | 推奨対応 |
|---|---|
| 残業代10万円未満 | 労働組合型でまず交渉 |
| 残業代10〜50万円 | 労働組合型で交渉、拒否されたら弁護士型 |
| 残業代50万円超 | 最初から成功報酬型弁護士を検討 |
| 証拠が不十分 | 労働基準監督署への申告と並行 |
退職代行業者が「残業代回収を保証する」と謳っている場合は要注意です。労働組合型に強制回収の権限はなく、誇大広告の可能性があります。
詳しい退職代行の料金・返金保証の比較は退職代行サービス比較ガイドをご覧ください。
2026年版・状況別おすすめ労働組合型退職代行と申込みチェックリスト
ここまでの情報を踏まえ、シチュエーション別に最終推奨をまとめます。
シチュエーション別 最終推奨3パターン
| シチュエーション | 推奨サービス | 選定理由 |
|---|---|---|
| 残業代回収がメイン目的 | SARABAまたは退職代行ガーディアン | 団体交渉実績の公表あり、残業代請求を明示、証拠収集サポートの相談も可 |
| 有給消化を確実にしたい | モームリまたは退職代行Jobs | 有給交渉明示・返金保証あり・料金が比較的安価 |
| 即日退職を最優先にしたい | SARABA(24時間対応)またはモームリ(即日) | 深夜・休日でも受付可能、当日中の会社への連絡実績あり |
申込み前に確認すべき5項目チェックリスト
- [ ] 料金:税込み総額を公式サイトで確認(追加料金の有無も確認)
- [ ] 返金保証:退職できなかった場合の返金条件を規約で確認
- [ ] 対応時間:深夜・休日の受付可否と連絡手段(LINE/電話)を確認
- [ ] 交渉範囲:残業代請求・有給交渉を明示しているか、問い合わせで確認
- [ ] 実績公表:団体交渉件数または事例が公式サイトに掲載されているか確認
無料相談で確認すべき質問テンプレート3つ
- 「残業代請求を退職代行と同時に依頼することは可能ですか?対応範囲を教えてください」
- 「会社が支払いを拒否した場合、その後の対応はどこまでしてもらえますか?」
- 「有給消化の交渉について、過去に会社から拒否されたケースはありますか?その場合どう対応しましたか?」
最終基準:交渉力と費用のバランスで選ぶ
労働組合型退職代行を選ぶ最終基準は「交渉範囲の明示」と「返金保証の有無」の2点です。この2つを公式に明示しているサービスを選べば、費用対効果の高い退職代行が実現できます。
よくある質問
Q. 残業代請求できる退職代行はどこ?
A. 労働組合型または弁護士型のみ可能です。民間型退職代行は法律上、残業代請求・交渉を行えません。SARABAや退職代行ガーディアン、モームリなど労働組合型の上位サービスが残業代請求対応を公式に明示しています。申込み前に必ず公式サイトと無料相談で対応範囲を確認してください。
Q. 労働組合型と弁護士型退職代行の違いは?
A. 労働組合型は団体交渉権(労働組合法第6条)により、有給消化・残業代交渉・退職条件の協議を会社に求められます。弁護士型はこれに加えて、訴訟提起・仮差押え・強制執行など法的回収手段まで対応できます。高額の残業代を確実に回収したい場合は弁護士型が有利です。
Q. 退職代行で未払い残業代は取り戻せる?
A. 労働組合型なら団体交渉で残業代支払いを会社に請求できます。ただし回収保証はありません。会社が支払いを拒否した場合に強制回収できるのは弁護士型のみです。50万円超の高額案件は最初から成功報酬型弁護士への依頼を検討することをおすすめします。
Q. ポジウィルが廃止されたが代替はどこ?
A. ポジウィルキャリアは2025年末に退職代行サービスを廃止しました。交渉機能重視ならSARABAや退職代行ガーディアン、有給・残業代特化ならモームリや退職代行Jobsが有力な代替候補です。キャリア相談も継続したい場合は、労働組合型退職代行と転職エージェントの並行活用が最適です。詳しくはポジウィル廃止後の代替サービス比較2026をご覧ください。
Q. 有給消化を退職代行で交渉できる?
A. 労働組合型退職代行は団体交渉権を持つため、有給消化を会社側に正式に要求できます。有給消化は労働基準法第39条で保障された権利ですが、退職時に会社が拒否するケースも多く、団体交渉権を持つ労働組合型が介入することで消化が実現する事例が報告されています。民間型退職代行にはこの権限がありません。
Q. 退職代行の団体交渉とは何ができる?
A. 団体交渉は、有給取得・残業代支払い・退職日の設定・貸与品返却条件など、労働条件全般を会社と正式に協議できる労働組合固有の権利です。会社が正当な理由なく団体交渉を拒否した場合は不当労働行為となります。ただし、強制的に支払いを執行させる権限はなく、拒否された場合は弁護士型への切り替えが必要になります。
まとめ
労働組合型退職代行は団体交渉権を持つため、有給消化・残業代請求・退職条件の交渉が法的根拠をもって可能です。2026年6月時点で確認できる主要15社のうち、残業代請求への対応を明示しているのは概ね半数程度にとどまります。残業代回収が目的なら、SARABA・退職代行ガーディアン・モームリ・Jobsの上位グループから選び、申込み前に交渉範囲・返金保証・対応時間の3点を必ず確認してください。50万円超の高額案件は成功報酬型弁護士への切り替えが最善です。

